梱包する時によく使われる、ビニール素材でできた小さな球体の気泡が密集している緩衝材、思わずつぶしたくなるあの感じに、親しみのある方は多いことでしょう。この一見単純な材料がどのように呼ばれているか、ご存知ですか?
つぶした時に楽しいポッピング音がするため、通称「プチプチ」と呼ばれていますが、実は、それは正式名称ではないばかりか、他にいくつもの異なる製品名が存在していました。
ここでは、プチプチの正式名称、購入先、そして梱包作業での凸凹の内側外側による使い分けについて調べました。これらを知ることによって、プチプチを効果的に使いこなす一助となりますように。
「プチプチ」の正式名称について
正式名は気泡緩衝材「プチプチ®」は登録商標
「プチプチ」として親しまれているあの梱包材の正式名は、「気泡緩衝材(きほうかんしょうざい)」と呼ばれています。
一般的にプチプチと呼ばれる理由は、その名前が川上産業株式会社の登録商標※であるためです。
このため、他社製の同様の気泡緩衝材は、厳密には「プチプチ」とは異なります。
他に「エアキャップ」とも呼ばれる気泡緩衝材もあり、これは特に割れやすい物品の保護や引越し作業に重宝されています。
「プチプチ®」と他社製品の主な違いは、概ね名称の違いですが、その愛らしい響きが広く使われる一因かもしれません。
※前身である「川上産業」時代に、気泡の入ったシートを製作し「エア・バッグ」と名づけて、発売。子どもたちが、使い終わった「エア・バッグ」の気泡を潰して遊ぶようになり「プチッ」「プチッ」と心地よい音がしたため、「プチプチ」と呼ばれるようになり、1994年(平成6年)に、正式に「プチプチⓇ」と名づけ商標登録した、ということです。
「エアーキャップ®」および他の気泡緩衝材の名称
「エアーキャップ」は、宇部フィルム株式会社により商標登録※された気泡緩衝材で、正式には「エアーキャップ®」と表記されます。
※エアーキャップ®は宇部興産(宇部フィルム)の登録商標でしたが、事業譲渡に伴い、2024年現在は酒井化学工業の登録商標となりました。
その他にも、市場にはさまざまな企業から発売されている製品があり、それぞれ独自の名称が付けられています。
いくつかの例を挙げると、以下のような名称の製品があります
- エアピロン : 川上産業株式会社
- キャプロン: 株式会社ジェイエスピー
- サンマット: 北海道サンプラス株式会社
- エアセルマット : 株式会社和泉
- ミナパック、 エアーキャップ®: 酒井化学工業株式会社
- エコロガード : もりや産業株式会社
これらの製品名に加え、「エアパッキン」や「エアクッション」という呼び名も、気泡緩衝材の総称として用いられることがあります。
プチプチなどの購入先は
「プチプチ」を始めとした気泡緩衝材である、プラスチック製の梱包材の購入先はどこでしょうか?
川上産業の「プチプチ」購入方法
川上産業製品の各種「プチプチ」は以下のオンラインショップで入手可能です。
(検索なさってください)
・ 公式オンラインストア: 川崎産業直営通販店「プチプチSHOP」
市販の気泡緩衝材の取り扱い先
一般の気泡緩衝材は、各100円ショップ、ホームセンターのDIY売り場、または大型量販店の雑貨や梱包資材売り場などで見つけることが可能です。
製品にはサイズや気泡の大きさ、シート・袋・ロールタイプなど、多様なバリエーションがあります。用途や予算に合わせて最適なものを選ぶことが大切です。
大量購入や特定のサイズ、特殊加工の施されたものなどが必要な場合には、比較検討や配達の利便性などを考慮して、オンラインでの注文が便利といえましょう。
プチプチ凸凹面の使い分け
梱包作業で使われる気泡緩衝材、プチプチですが、その使用に際して「どちらが表で、どちらが裏か?」ということが気になる場合もあることでしょう。
この件に関しては、表でも裏でも、緩衝保護機能には影響がないことから、正式な決まりはありません。
包む物に応じて、凸凹面を内側外側で使い分ければよいのです。
外側を凸凹面にする場合
繊細な小さいもの・薄いもの・角があるものなどを封筒や袋に入れる場合、内側を滑らかにすることで、商品に跡が残ることもなく、出し入れもスムーズになります。
また、外側の凸凹面が摩擦により滑り止にくくなるとともに、圧力からの保護も得られ扱いやすくなります。
内側を凸凹面にする場合
段ボールなどの箱の中に、複数のものを同梱する場合、内側を凸凹面にすることで、包むものとプチプチの間に小さな空気の層ができ、さらに衝撃を吸収することが出来ます。
また、箱から物を出し入れする際には、外側が滑らかである方が、絡まることもなく取り出せて扱いやすくなります。
まとめ
通称「プチプチ」と呼ばれる製品は、正式名称「気泡緩衝材」で、実は登録商標されている1つの代表的な名称でした。このポピュラーな梱包材は、100円ショップやホームセンター、大型量販店などで簡単に購入することができます。
これらは実に豊富な種類があるため、梱包するアイテムや用途に最適なタイプを選択することが重要になります。大きなサイズや大量購入の場合には、配送料を考慮してもオンラインでの購入が便利でだといえるのではないでしょうか。
また、梱包時は緩衝保護の効率と取り出しやすさを考慮した上で、プチプチの凸凹面を内側あるいは外側に向けて利用なさってみると、扱いやすくまた安心できそうです。ご活用ください。