トマトが固い時のおいしい食べ方と柔らかくする方法ほか

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買ったトマトを食べようとしたら、思ったより固くて、今日はやめておこうかなと思ったことはありませんか?

おいしく食べるために、トマトが固い理由や柔らかくする方法、固い時にも楽しめる簡単なレシピアイデアをご紹介いたします。また、保存方法や家庭栽培で柔らかいトマトにするポイントも少々、まとめております。

固いトマト活用のヒントになさってみてくださいね。

トマトが固い理由と柔らかくする方法

トマトが固い理由

まだ熟す前の状態

トマトは収穫後も追熟する性質があります青みが残っていたり、全体的に色が薄い場合はまだ熟していない可能性があります。

このようなトマトは果肉が固く、甘味も酸味も控えめになります。

品種による違い

トマトの品種によっても固さは異なります。特にミニトマトは、皮が厚めでしっかりとした食感のものが多い傾向にありますが、大玉トマトや中玉トマトでも、果肉がしっかりしていて固めに感じる品種があります(中には生食よりも加熱調理に向いている品種もあります)。

例えば、「桃太郎」シリーズは日本で広く栽培されている大玉トマトの代表格で、果肉が厚く、輸送や保存に適した固さを持っています。また、世界中で栽培されている中玉トマトの「カンパリ」は、皮がやや固めで果肉がしっかりしており、パリッとした食感が特徴です。

これらの固さのある品種は流通や保存性を考慮して開発されたということを知り、生以外にも調理や用途に応じて食べるトマトの選び方によって、おいしさが広がるのではないでしょうか。

栽培環境による影響

トマトの固さには栽培環境も大きく関わっています。

天候不良などにより、十分な日照や水分・肥料が行き届いていない場合には、果肉が締まりすぎたり実の成熟が遅れて固さが残る傾向にあります。

それに加えて家庭栽培などでは、摘果をせず一株に多くの実がつきすぎると、栄養が分散してしまい、十分に成熟しきれず固くなるケースもあります。これらを防ぐためには、摘果(実を間引く)を行い、適切に日光を当て、肥料と水分のバランスを整えることが重要になります。

柔らかくする方法

追熟で起きる変化

追熟による変化で、トマトを柔らかくすることが可能です。

リコピン色素が増えて赤くなる                               細胞壁がゆるみ果肉の水分バランスが変化して柔らかくなる                 収穫後は光合成による糖分供給も止まるため蓄積分以上の甘さはほぼ増えない

常温で追熟

トマトは常温に置いておくことで徐々に熟し、柔らかくなっていきます。

直射日光は避け、風通しの良い場所に置くのがポイントです。袋に入れず、そのままヘタを下にして置き、毎日チェックして熟しすぎに注意しましょう。

エチレンガスで追熟

エチレンガスは、野菜や果物などの植物が自らの熟成を促すために放出させる、植物ホルモンの一種です。

エチレンガスを発生する果物など(バナナ、桃、りんご、ナシ、メロン、マンゴー、アボカド)や完熟したトマトと一緒にビニール袋など密閉できる袋に入れておくと、その働きで追熟が早まります。

過熟になりやすいため1〜2日ほど様子を見ながら観察し、柔らかくなったら放置せず取り分けて別々に保存ましょう。

加熱調理する

加熱することで細胞壁が壊れ、果肉が柔らかくなります。

また、加熱によってトマトに含まれるグルタミン酸などのうま味成分が引き立ち、甘みも感じやすくなります。

特に、炒め物・スープ・トマトソースなどの加熱調理に向いており、固さが気にならなくなるうえに、風味も豊かになります。煮込み料理では、トマトの形がほどよく崩れ、とろみのある仕上がりになるのが特徴です。

オリーブオイルやバターと一緒に加熱することで、風味やコクもアップし、簡単な調理でも満足度の高い一品に仕上がります。

固い皮は剝く

皮が特に固い場合は、剝いてしまいましょう。

  • 湯むき」をすることで食感がぐっと良くなります。方法は簡単で、トマトのヘタを取り、皮に浅く十字の切れ目を入れてから、沸騰したお湯に10~20秒ほどくぐらせすぐ冷水に取ると、皮が縮んで自然と剥がれやすくなります。
  • 1~2個ならばフォークにさし「ガスコンロであぶって」冷水に取る方法も簡単です。
  • その後の調理方法にもよりますが、最も簡単なのは丸ごと冷凍した後で冷水に取る」方法です。

皮の固さが気になる料理、たとえばスムージーやトマトソース、マリネなどでは、皮を剝くことで口当たりが良くなり、食べやすさが格段にアップします。

特に短時間加熱や生食に近い場合には、湯むきした方がなめらかな仕上がりになりおすすめです。

トマトの保存方法

常温保存のポイントと注意点

熟しきれていない青みの残るようなトマトは、常温保存による追熟がおすすめです。

気温が15〜25℃程度の風通しがよい場所で、ヘタを下にして並べて保存すると、トマト全体に均等にエチレンガスが行き渡り、ムラなく熟します。新聞紙やキッチンペーパーなどで1個ずつ包むと、傷みや乾燥を防ぐことができます。ただし、直射日光や高温多湿な環境は避けましょう。

完熟したトマトはそのまま常温放置すると傷みやすいため、食べきれない場合は冷蔵保存に切り替えましょう。

冷蔵保存の方法

熟したトマトは、水分の蒸発と劣化を防ぐためポリ袋に入れて軽く口を閉じ、できれば冷蔵庫内(3℃以下)より少し高めの温度帯、野菜室(5〜7℃前後)で保存しましょう。

丸ごと保存する場合はヘタを下にすると、水分の流出が抑えられ日持ちしやすくなります。カットしたものは、密閉容器に入れて早めに消費しましょう。

冷やしすぎると風味が落ちるため、食べる前に室温に30分ほど置くと、トマト本来の甘みと香りが戻りやすくなります

冷凍保存の活用

固めのトマトや使い切れない時は、冷凍保存も便利です。

ヘタを取り、丸ごとのままでも、ざく切りやみじん切りにしても冷凍できます。カットした際はバットなどに並べて急速に冷凍し、丸ごとの場合も密閉保存袋に入れて冷凍焼けを防ぎましょう。

冷凍するとトマトの細胞壁が壊れ、解凍後はとても柔らかくなる上に凍ったまま調理できるため、トマトソースやスープなど加熱調理用に活用しやすくおすすめです。

また、凍ったトマトは流水に当てるだけで皮がスルッと剥けるため、湯むきの手間も省けます

冷凍保存は最長でも約1か月以内を目安として、忘れないよう日付を記入し早めに消費しましょう。

固いトマトをおいしく食べる簡単アイデア集

簡単加熱でうま味を引き出す

オリーブオイルがけレンチン蒸しトマト

ヘタを取ったトマトに切り込みを入れ、オリーブオイルと塩を少量かけてふんわりラップし、電子レンジで1〜2分加熱するだけです。

柔らかくなり、旨味が引き立ちます。お好みで刻んだシソやかつおぶしをかけてもイケます。

フライパントマトバターソテー

スライスしたトマトをバターで炒めるだけです。軽く塩胡椒をして、朝食や付け合わせにもぴったりの一品です。

刻んでレンチン煮込んでトマトソース

刻んで電子レンジで加熱すれば、簡単なトマトソースになります。

また、オリーブオイルで軽く炒めた玉ねぎやにんにくを加えて軽く煮込むと、さらに深い味わいになり、パスタやリゾットのソースとして作り立てを使うことができます。

電子レンジでドライトマト

ミニトマトやトマトを薄くスライスし、キッチンペーパーで水気を取り、電子レンジの低温設定でじっくり乾燥させます。保存も利く万能調味料になります。

材料)トマト:1個、塩:小さじ1/2~1

作り方)

  • トマトを横半分にカットし種やゼリー部分を取り除いて、半円で5mmほどにスライス(ミニトマトはそのまま半分にカット)
  • キッチンペーパーで水分を取り、クッキングペーパーを敷いた耐熱皿に並べて塩を振って600Wで5分加熱
  • 取り出して水分を拭きとってさらに5分加熱、水分を拭きとりその後は様子を見ながら1分ずつ加熱し、乾いたら完成

オーブントースターでトマトパン粉チーズ焼き

トマトを横半分にカットして、ゼリー状の中身をくり抜きパン粉に吸わせ、にんにくパウダー、バジルとともに混ぜて詰め直し、粉チーズを振りかけて焼き目がつくまでトースターで焼くだけです。

仕上げにパセリをかけてもよく、簡単で見た目も華やかなサイドメニューになります。

ポテトトマトチーズ重ね焼き

スライスしたじゃがいも、トマト、チーズを交互に重ね、フライパンやトースター皿に敷きつめて加熱するだけです。風味豊かでとろーりとした簡単一品になります。

他食材と炒め物に

ウインナーやベーコン、豚肉、ピーマン、きくらげ、豆腐、卵などと一緒に炒めれば、立派な一品です。トマトの酸味がアクセントや旨味になりますよ。

カレーやスープに

  • 冷凍したトマトは潰しやすくうま味も出やすいためカレーのベース作りに役立ちます。また、トッピングであれば他の食材と相まって固さも気にならずいただけます。         ハヤシライスやビーフシチューのベースなどにも使えます。
  • 定番のミネストローネや他の野菜などと一緒に、スープとして刻んで煮込めば固さも気にならず彩りも追加できます。ロールキャベツのトマト煮込みにもぴったりです。

ピラフ風トマト炊飯

  • お米2合に対し、刻んだトマトもしくは冷凍したトマト丸ごと1個、コンソメ小さじ2、バター10gを加えて炊飯モードでスイッチオンするだけです。
  • さらに小エビやシーフードミックス、シーチキン、サラダチキンなどの具材を追加して炊飯すれば、手軽に洋風トマトテイストのピラフ風になります(さらに卵で包んでオムライスにも)。

鍋やおでんに投入

固いトマトをカットするか冷凍のまま丸ごと鍋に投入するだけです。キャベツや鶏手羽、豆腐、おでんの具材などとも相性がよく、冬場に温まる一品として、また夏場に冷やしてもおいしくいただけますよ。

火を使わないおいしさ

スムージー

他の野菜や果物と併せてミキサーにかけるだけです。

  • ガスパチョ風に、トマト、キュウリ、ピーマン、玉ねぎをお好みの水分量と共にミキサーにかけ、塩コショウで味を調整しオリーブオイルを回しかけるだけです。             豆乳ベースにしてもおいしくいただけます。
  • トマトとバナナ、ヨーグルトをミキサーにかけてはちみつを加えると、酸味と甘みのバランスが良いスムージーになります。
  • トマトとスイカ、レモン果汁少々、塩ほんのひとつまみで、さっぱりして夏の朝にぴったりののスムージーになります。

はちみつ漬け

スライスしたトマトやミニトマトのヘタをとり半分にカットして、はちみつをかけラップやフタをして冷蔵庫で30分程度置くだけで、デザート感覚で楽しめます。

トマト麹づくり・発酵ケチャップ。塩こうじ漬けトマト

トマト麹

  • 米麹(生)100g、塩 30gをよく混ぜ、皮を剝きミキサーにかけたトマト100~200gを加えて、煮沸消毒したフタつきでやや大きめの容器に入れよく混ぜる
  • 常温に置き、毎日乾いたスプーンで1回は混ぜ、夏は3~5日・冬は2週間程度で気泡やとろみが生じ完成、その後は冷蔵庫保存で1~2週間

発酵ケチャップ

  • トマト麹にお好みの分量でみじん切り玉ねぎ、すりおろしニンニク、ローリエ、リンゴ酢を加えて数分加熱し、塩コショウで味を調え冷まして完成、冷蔵庫保存
  • トマト麹に酢、塩コショウ、カルダモンやタイムなどのパウダーで香りづけして加熱するだけでも簡単ケチャップ風に

トマトの塩こうじ漬け 

  • トマトをひと口大に切り、塩麹をまぶしてラップし数時間または一晩冷蔵庫で寝かるだけ
  • 発酵の味わいと旨味が加わってトマトの固さも気になりにくく、サラダやおつまみとしても楽しめる

色々なドレッシングや浸け液でマリネ

トマト1個に対して、酢大さじ1、オリーブオイル小さじ1、塩少々、砂糖ひとつまみを混ぜた液に漬ければ、簡単マリネになり酸の力で柔らかくいただけます。手持ちのドレッシングに和えて少量で漬ければ、さらに簡単で飽きずに。

和風にしたい場合は、めんつゆと酢やポン酢に浸けるだけでもおいしく仕上がります。

塩昆布づけ

袋に刻んだトマトと塩昆布を和えて冷蔵庫で少し置くと味がなじみ、あえて固めのままの食感でも、うま味の立つ副菜に早変わりです。

シャーベットに

  • 凍らせたトマトをすりおろすか、半解凍してそのままスプーンですくってミニトマトは一口サイズで食べれば、自然な甘みやおいしさのひんやり爽やかデザートに
  • 生のトマトをカットしブレンダーなどでピューレ状にし、レモンやライム果汁、少量の砂糖やはちみつを加えて混ぜて冷凍庫で凍らせ、時折フォークでひっかいて空気を含ませれば、簡単シャーベットに

トマトとチーズのラップサンド

固いトマトのしっかりした食感をあえて活かした包むサンドイッチです。時間が経ってもトマトが崩れず、他の食材とともに食べ応えとして捉えることができます。

  • トマトを薄切りして塩を振り軽く水分を出しておく
  • レタスやルッコラ、モッツァレラチーズやカッテージチーズ、ハムやミートソースなどとともに、全粒粉クレープやタコス・トルティーヤなどで包むかサンドする
  • すぐ食べない場合などお好みでトマトの種やゼリー状の部分を取り除いても

柔らかいトマトにする家庭栽培のポイント

トマトを自分で栽培し収穫して食べる楽しみは、また格別なものがあります。子どもと一緒に行うことで、食への関心や感謝にもつながるすてきな経験となることでしょう。

柔らかいトマトにするポイントをいくつかご案内いたします。

柔らかい品種を選ぶ

まずは柔らかくなりやすい品種を選ぶのが基本です。

ミニトマト、中玉〜大玉トマトの中には皮が薄くて果肉のやわらかいタイプもあるので、品種ラベルを確認しましょう。園芸店などでは、お店の方に希望のタイプを伝え、アドバイスしてもらうとよいでしょう。

必要な肥料と水やりのタイミング

肥料は与えすぎると、葉や茎ばかりが茂りすぎて、肝心の実は未熟で固くなり味もぼやけてしまう傾向があるため、適量を守ることが大切です。

元肥(植え付け前に混ぜ込む肥料)は控えめに、追肥は実がつき始めてから定期的に少量ずつ与えるのが基本となります。

水やりは、土の表面が乾いたら朝の涼しいうちにたっぷりと与え、日中は控えましょう。水をやりすぎると根腐れを起こすため、乾燥と潤いのメリハリを意識して調整します。

栽培に適した土やプランター

柔らかいトマトにするには、水はけが良く、通気性に優れた野菜用培養土が適しています。市販の「トマト専用の培養土」なども便利です。

プランター栽培の場合は、深さと広さが十分なものとして容量15リットル以上・深さ30cm以上を目安に選び、根がしっかり張れるようにします。排水穴がしっかりあるかも確認しておきましょう。

また、プランター栽培でも早めに支柱を立てて、茎を支えてあげることが大切です。

支柱選び

  • 長さは120〜150cm程度を目安にします。

  • 太さは直径1〜1.5cm程度のしっかりしたものを選びましょう。
    (細すぎると、トマトが大きく育ったときに支えきれなくなります)

立て方の手順

  1. 苗を植え付けると同時に支柱を立てると、後から根を傷つけずに済みます。

  2. 苗の根元から5cmほど離れた位置に、斜め(30〜45度くらい)に差し込みます。

  3. 苗の茎と支柱をゆるめに8の字に結ぶのがポイント。
     使う紐は麻ひもや園芸用ビニールタイなど、茎を傷つけにくいものを選びます。

  4. 茎が伸びる長さに合わせて結び直しながら、しっかり支えられるように調整します。

日差しの管理と生育を助ける工夫

日当たりがよいことは重要なポイントですが、真夏の直射日光の当たりすぎは、高温により生育が止まり結実しなかったり実が裂けて(裂果)しまう場合もあります。

日差しを管理し遮光ネットをかけたり、実の上側にある葉を数枚残しておくことで、直射日光を和らげつつ適度に日が当たり、光合成を促すことも可能になります。

また、バジル・ネギ類・マリーゴールド・レタスなど、相性の良い植物(コンパニオンプランツ)を近くに植えると、病害虫の発生を抑えたり互いに助け合って役立ちます。

一方、ナスやじゃがいもは同じナス科で相性が悪いため、近くでの栽培は避けた方が無難です。

家庭菜園での収穫時期の目安

品種によって多少前後しますが、開花後30〜50日ほどが収穫時期の目安です。
全体が赤く色づき、果実を軽く押したときにわずかな弾力を感じたら、収穫タイミングです。

早採りすると固さが残りやすいため、じっくり完熟させてから収穫すると、より柔らかくジューシーなトマトに仕上がります。

まとめ

固いトマトでも、その理由を知り、ちょっとした工夫をすることでおいしく食べられます。

追熟させて生食を楽しむのもよし、冷凍工程のあと加熱調理で旨味を引き出すのもよし、色々手軽に活かすことが可能です。

保存方法や家庭栽培でのポイントも合わせて、もっとトマトを取り入れた生活を楽しんでみませんか?

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