長年「オキアミ」は小エビだと思っていましたが、調べてみたらプランクトンの一種でびっくり!
似たような素干しのエビであるアキアミ・桜えびとの違いについて、見た目や生息地・食用加工の違いなどを一覧表にまとめるとともに、オキアミの食べ方レシピもすぐに試せる形でご紹介しております。
3つともお料理に合わせて使い分けながら、海の幸としておいしくいただきましょう。
オキアミはエビではない

オキアミはプランクトンの一種
オキアミ(沖醤蝦)は甲殻類ではありますが、一般に食用として「エビ」と呼ばれやすい十脚目(エビ・カニの仲間)ではなく、オキアミ目(Euphausiacea)に分類される生きもので、プランクトンに分類されます。
日本語で「オキアミ」と一括りにされますが、世界には複数の種がいて、ナンキョクオキアミや、ツノナシオキアミなどがよく知られています。
オキアミは海中を漂いながら生活することが多く、食物連鎖の中で大切な役割を持つため、動物プランクトンとして扱われます。
- 植物プランクトンなどを食べる
- それを魚類・海鳥・海獣などが食べる
- 海の栄養の流れをつなぐ
こうした位置づけから、オキアミは「小さなエビ」ではなく、海の中の食べられる側の基盤となっているのです。
プランクトンとは?
プランクトンは「小さい生物」という意味ではなく、自分で泳いで移動する力より、潮や波の流れに乗って移動する性質が強い生物の総称です。微小なものだけでなく、種類によってはサイズが大きいものも含まれます。
ミジンコもクラゲもプランクトン
- 学校の授業で顕微鏡観察したことのあるミジンコ(微塵子)は、1~1.5ミリサイズの甲殻類プランクトンです。
- クラゲはふわふわ漂うイメージ通り、生活史や種類によってはプランクトンとして扱われます。
つまり「プランクトン=小さい」ではなく、「漂う暮らし方」を軸にした言葉だと分かると、オキアミがプランクトンに入ることにも納得しやすくなります。
オキアミの名前の由来は?
「沖(おき)」は沿岸から離れた沖合を指し、「アミ」は小さなエビ状の生きものを指す呼び名として使われてきました。つまりオキアミは、「沖合でとれるアミのようなもの」という感覚的な呼び名が背景にあると考えるとイメージしやすいでしょう。
オキアミの生息地・大きさや見た目の特徴・漁法
オキアミは世界の海に広く分布し、特に南極海の個体群が有名で、日本国内では三陸海岸などに生息しています。
サイズは種類にもよりますが、国内でよく見かけるオキアミ類(例:ツノナシオキアミなど)は体長約15〜25mm前後(約1.5〜2.5cm)が目安です。※オキアミは総称のため、種によってはさらに大きく(南極のナンキョクオキアミは体長6cm)なる例もあります。
見た目の特徴は、
- 体が半透明〜淡い赤
- 乾燥品は赤みが増して見える
- 胸肢の付け根にエラが露出している (※とくにエビとは異なる特徴です)
漁法は海域や対象種によって異なりますが、群れで分布する性質があるため、網でまとめて漁獲されることが多いです。
色はアスタキサンチン・桜えびに近似、サイズはアキアミに近い
オキアミが赤く見えるのは、アスタキサンチンという赤い色素によるものとして知られます。この点で「桜えびっぽい色」に見えやすい一方、サイズ感は「アキアミ(アミエビ)に近い」と感じる人も多いのです。
食用時の代表例と風味の特徴
食用としては、
- 素干し(乾燥オキアミ):香ばしさ、うま味の芯が出やすい
- 佃煮・甘辛煮:ご飯のおとも向き
- だし系の原料になることも:汁物に入れると風味が立つ
乾燥品は、噛むと殻の歯ごたえが出やすいので、そのまま活かすほか、料理によっては粗く刻む/乾煎りして香りを立てるなどの工夫が合う場合もあります。
「エビ」と呼ばれやすい理由と分類上の違い
一見エビに似ていること、そして食材として「干しエビ」類の売り場に並ぶことから、オキアミは「エビ扱い」されがちです。
ただし分類上は、別系統です。
- 一般に食用のエビは、十脚目(エビ目など)のエビ
- オキアミは、オキアミ目のプランクトン
料理の世界では「呼び名」と「分類」が一致しないことがある、という典型例といえるのではないでしょうか。
食用購入時は裏面表示を確認
オキアミは食用の加工品としても流通しますが、同じ呼び名でも用途が異なる商品があるため、購入時は裏面表示(原材料名・名称・用途)を確認するとよいでしょう。
- 購入先はどこ?:スーパーの乾物コーナー、魚売り場、業務用食品店、ネット通販など
- 使い分けの考え方:
- 料理に「赤い香ばしさ」を足したい → 素干しオキアミが候補
- 「桜えびの香りや上品な甘さ」がほしい → 桜えび(または桜えび入り商品)
- 「淡い旨みを足したい」 → アキアミ(アミエビ)系の加工品
「エビを買いたいのか、オキアミでよいのか」を先に決めると、迷いが減りますよ。
オキアミ・アキアミ・桜えびの違い一覧表
このあと、アキアミと桜えびについてもご紹介いたしますが、まずは3つの違いを大まかにまとめた一覧表をご覧ください。
| 比較項目 | オキアミ | アキアミ(アミエビ) | 桜えび |
| 分類学上の違い | 甲殻類・オキアミ目(プランクトンとして扱われる) | 甲殻類・十脚目(エビ目)/サクラエビ科アキアミ属 | 甲殻類・十脚目(エビ目)/サクラエビ科サクラエビ属 |
| サイズ・見た目 | 体長約15〜25mm位、種により60mmも、赤み/半透明、胸肢の付け根に露出したエラが特徴 | 体長10〜30mm位、白っぽい〜淡い桃色、3つの脚すべて鋏(はさみ)脚なのが特徴 | 体長40〜50mm位、桜色、光沢あるものも、長いヒゲが特徴 |
| 生息域 | 世界の海に広く(南極海などで有名)、国内では三陸沿岸など | 台湾、中国、ベトナムなど、国内では瀬戸内海、有明海など | 駿河湾、台湾周辺など |
| 漁法 | 網で漁獲されることが多い | 地域の漁法(網など) | 特定海域で春と秋の年2回のみの漁期 |
| 食用の代表例 | 素干し、佃煮、だし具材 | 塩辛、発酵調味料、素干し | 生/釜揚げ、素干し、かき揚げ |
| 素干しでの風味 | 香ばしさ・うま味が立つ | 香りは穏やか・うま味は出る | えびの甘みと磯の香り、上品な香ばしさが立つ |
| 加工・販売の違い | 乾燥品、粉末、佃煮、原材料としても | 塩辛、発酵系、原材料としても | 生食用、冷凍、釜揚げ、素干し、特産品として様々な加工 |
| 釣り餌 | 使われる | 使われる | 食用中心 |
※分類表記や流通名は商品によって幅があるため、最終的には「名称」「原材料名」「用途」の表記を確認してください。
アキアミはエビ

アキアミはサクラエビ科アキアミ属の小エビ
アキアミ(秋醤蝦)は、十脚目サクラエビ科アキアミ属の小型エビ類として流通されています。
また、アキアミは地域や商品によって「アミエビ」とも呼ばれ、それぞれの名前の由来は以下のようなものとされています。
- アキアミ:季節感(秋)や塩辛など加工文化と結びついた呼び名として語られることが多い
- アミエビ:見た目が“網(あみ)”のように小さく多数でとれる印象、または小型エビ類の呼称として広がった呼び名
アミエビの生息地・大きさや見た目の特徴・漁法
アキアミ(アミエビ)は沿岸〜近海で漁獲されることが多く、台湾、中国、ベトナムなど、国内では瀬戸内海、有明海など穏やかな湾内に生息しています。
サイズはオキアミと近い小型で、体長10〜30mm位が目安です。
見た目の特徴は、
- 白っぽい淡色だが、加工で色味が変わる (薄い桃色など)
- 3つの脚すべて鋏(はさみ)脚
漁法は地域差がありますが、こちらも網漁が中心です。
見た目のサイズ感はオキアミに近いが色は白い
オキアミとは一字違いで混同しやすい反面、アキアミの見た目から区別するならば
- サイズ:小さめでオキアミと近い
- 色:白っぽい/淡い色合い
という判断ができそうです。とはいえ、加工(塩辛、乾燥、加熱)で色が変わるため、パッケージ写真だけで判断しにくいこともあるため、購入時は「名称」欄や「原材料名」を見るのが確実でしょう。
食用時の代表例と風味の特徴
アキアミ(アミエビ)は、
- 塩辛:旨みが濃く、料理の下支えになる、キムチづくりの材料にも
- 発酵系の調味素材:鍋の味付けや和え衣のベースになる
- 素干し加工:炒め物やお好み焼きの風味づけに
などで親しまれています。
桜えびはエビ

桜えびはサクラエビ科サクラエビ属の小エビ
桜えびは、十脚目サクラエビ科サクラエビ属に分類される小型のエビです。
アスタキサンチンなどの赤い色素による、淡い桜色の体色がその名の由来とされています。
桜えびの生息地・大きさや見た目の特徴・漁法
桜えびは特定の海域での漁が中心で、日本では駿河湾および台湾が代表的な産地として知られています。
サイズは体長40〜50mm位、見た目の特徴は、桜色で光沢あるものもあり、長いヒゲがあることです。
桜えびは年に2回、毎年春は3月中旬~6月上旬、秋は10月下旬~12月下旬と漁期が限られています。そのため特産品であり、希少性も高い旬のものという感覚もあります。
店頭では「生」「釜揚げ」「素干し」のほかさまざまな加工品などが並び、季節の味として楽しまれています。
食用時の代表例と風味の特徴
- 生桜えび、釜揚げ
- かき揚げ
- 素干し(乾燥桜えび)
- 桜えび入り加工食品(練り物やふりかけその他)
上品なえびの甘みや磯の香りが立ち、少量でも桜えびの持ち味が味わえるのが特徴です。
オキアミは桜えびの代用に使える?
結論から言うと、レシピによっては代用可能です。ただし、桜えび特有の香りと甘み、軽い食感を全く同等にするというのは難しいため、使い分けたり、調整して取り入れてみてはいかがでしょうか。
- オキアミならリーズナブル:日常使いしやすい価格帯のことが多い
- 代用しやすい料理:炒め物、スープ、混ぜご飯、ふりかけ系
- 桜えびならではのメニュー(例):
- 桜えびのかき揚げ(桜えびを主役にして、香りと色を前面に出す)
- 桜えびの釜揚げ丼/桜えび丼(釜揚げをそのままご飯にのせる、薬味を添える)
- 桜えびの卵焼き・だし巻き(桜えびの香りが卵に移りやすい)
- 桜えび入りのかきたま汁/すまし汁(少量でも“桜えびらしさ”が立つ)
- 桜えびの炊き込みご飯(乾燥桜えびを戻さず使うタイプなど)
代用として使う場合の味・食感の調整ポイント
- 乾煎りして香りを立てる
- 入れるタイミングで食感を調整する
- 香りを立てたい:炒め油に一度さっと通してから具材へ
- 形を残したい:仕上げに加えて、火を通しすぎない
- “のせる・散らす”使い方にする(混ぜ込むより、存在感が出やすいです)
- 例:炒め物の最後、汁物の仕上げ、丼のトッピング
- 塩味がある商品は味付けを控えめにする
食用素干しオキアミの食べ方レシピ
ちょい足しホールフードとしての活用例色々
素干しオキアミは、料理の仕上げの一手として使うと、香りと旨みが足されます。以下は「ちょい足し」から主菜までの活用例です。
- ご飯・おにぎり:混ぜご飯、炊き込みご飯、玄米ご飯
- 麺:パスタ、焼きそば、にゅうめん
- 汁物:味噌汁、春雨スープ、卵スープ、きのこや豆腐とも相性がよい
- 主菜:かき揚げ、卵焼き、野菜炒め
- 粉もの:お好み焼き、たこ焼き生地に混ぜる
- 常備菜:佃煮、ふりかけ、ナッツと合わせた甘辛炒め
- サラダ:温野菜に散らす、ポテトサラダに少量
- おつまみ:乾煎りして七味、青のり少量をライスペーパーではさんで揚げる
- だし代わり:野菜の煮物、炒り豆腐など
野菜とオキアミのかき揚げ:2人分(材料・作り方)
他にもあり合わせの野菜が使える簡単メニューで、味が決まります。
材料(2人分)
- 玉ねぎ:1/2個
- にんじん:3〜4cm
- 三つ葉または小ねぎ:適量
- 素干しオキアミ:大さじ2〜3
- 薄力粉:大さじ4
- 片栗粉:大さじ1
- 冷水:大さじ4〜5(様子を見て)
- 揚げ油:適量
作り方
- 玉ねぎは薄切り、にんじんは細切り、三つ葉はざく切りにします。
- オキアミは軽く乾煎りして香りを立て冷まします。
- ボウルに野菜とオキアミを入れ、薄力粉と片栗粉を全体にまぶします。
- 冷水を加えてさっくり混ぜ、まとまる程度の衣にします。
- 170℃前後の油で両面を揚げ、こんがり色づいたら引き上げます。
ポイント:衣を混ぜすぎない/クッキングシートにのせて揚げるとまとまりやすい
大根・高野豆腐とオキアミの煮物:2人分(材料・作り方)
大根とオキアミだけでもおいしく仕上がります。その場合には先に大根だけ煮て、茹でこぼさずにあとからオキアミを入れて数分煮るだけで、より簡単ですよ。
材料(2人分)
- 大根:200g(いちょう切り)
- 高野豆腐:サイコロ大で戻し不要タイプ6~8個
- 素干しオキアミ:大さじ3(最初に2で煮て、あとから1使用)
- 水:300ml
- しょうゆ:大さじ1
- みりん:大さじ1
- しょうが:少々(お好み)
作り方
- 大根は下ゆで(またはレンジ加熱)して火の通りをそろえます。
- 鍋に水、オキアミ大さじ2、大根を入れて中火にかけます。
- 煮立ったら弱めの中火で10〜15分煮て、調味料とサイコロ高野豆腐を加えて5分煮ます。
- 仕上げにオキアミ大さじ1を入れ、1~2分ほど煮て味をなじませます。
ポイント:オキアミは煮込みすぎると香りが飛びやすいので、後半大さじ1分をくわえる
オキアミ入りわかめ春雨スープ:2人分(材料・作り方)
春雨がオキアミのうま味を吸い、軽食替わりにもいけます。
材料(2人分)
- 春雨:30g
- 乾燥わかめ:小さじ2
- 卵:1個(お好み)
- 素干しオキアミ:大さじ3〜4
- 水:400ml
- しょうゆ:小さじ1(味を見て調整を)
- ごま油:小さじ1
- こしょう:少々
作り方
- 鍋にオキアミを入れて弱火で30秒〜1分ほど乾煎りし、香りが立ったら水(400ml)を注ぎます。
- 中火で温め、ふつふつしてきたら2〜3分煮て、オキアミの風味を水に移します。
- 春雨を入れ、表示時間どおりに戻し、乾燥わかめを加えて30秒〜1分。
- 卵を溶いて回し入れ、火を止めます。
- しょうゆ、ごま油、こしょうで味を整えます。
ポイント:オキアミの塩味が強い商品は、しょうゆなしでも
オキアミ枝豆玄米混ぜおにぎり:玄米2合(材料・作り方)
材料(玄米2合分)
- 玄米:2合
- むき枝豆:80〜100g
- 素干しオキアミ:大さじ3
- 白いりごま:大さじ1
作り方
- 玄米はいつも通り炊きます(浸水はお好みの方法で)。
- オキアミは乾煎りします。
- 炊き上がった玄米に枝豆、オキアミ、ごまを混ぜます。
- 食べやすい大きさに握ります。
ポイント:玄米の香ばしさとオキアミが相性◎、枝豆で彩りと食感も出る。味が物足りない場合は刻んだオキアミもしくはしょうゆで調整を
オキアミ・アキアミは釣り餌用もあるので注意
オキアミやアキアミは、釣り餌としても流通しています。見た目が似ているため、ネット通販などでは紛らわしいこともあり、注意が必要です。
- パッケージに「食用」「食品」と明記されているか
- 名称欄が食品としての表記になっているか
- 原材料名・加工者表示があるか
これらを確認し、料理には食用として販売されている商品を選びましょう。
初めてなら、まずは扱いやすい素干し(乾燥タイプ)から試すと、保存や使い方のイメージが掴みやすいのではないでしょうか。
まとめ
オキアミ・アキアミ・桜えびは、どれも小さくて赤み(または淡色)があり、売り場も近いことから混同されがちです。けれども、ポイントを押さえると、選び分けはぐっと簡単になります。
- 3つとも甲殻類だが、オキアミはプランクトン、アキアミと桜えびはエビに分類される
- その他の違いを一気に確認したい方:「オキアミ・アキアミ・桜えびの違い一覧表」をご覧ください
- 料理で迷ったときの要点:
- 桜えび:甘み・香りと存在感を主役にしたいとき
- アキアミ(アミエビ):塩辛として、また素干しでは穏やかな香りと旨み出しに
- オキアミ:食用素干しで日常の「ちょい足し」やアレンジに
- 購入時は原材料表示・用途表記を確認
通年手に取りやすく価格帯もリーズナブルな素干しオキアミは、分類上はエビとは違えど、香ばしさや旨みを足す相棒として、普段のお食事に取り入れやすい食材といえるのではないでしょうか。
それぞれ使い分けたりアレンジしながら、おいしさが広がるヒントになりましたらさいわいです。

