トイレに備え付けのタオル掛け、実は近年「使わない」という選択をする人も増えています。
清潔面や掃除のしやすさ、空間の印象まで、タオル掛けを使わないことで得られるメリットは意外に多くあります。
トイレのタオル掛けを使わずに済む理由や代替方法、ご家族の生活スタイルに合わせたアイデアまで、シンプルで快適な生活空間を目指す方に、ご覧いただきたい内容を紹介しております。
トイレタオル掛けを使わない理由は?
トイレ内では手洗いしていない(洗面所で洗う)
特に2020年以降の近年、多くの家庭で、タンク式トイレの流水はもとよりトイレ内の簡易的な手洗い場を使うよりも、そのまま洗面所に直行して手を洗う習慣が増えています。
洗面所であれば石けん・水流・手拭きなどが整えられしっかり手洗いできるため、あえてトイレ内で手洗いをしなくてもよいという訳です。
トイレ内手洗いで水はねや掃除が増えることも
またトイレ内の手洗い器はコンパクトなため、構造上どうしても水はねが発生しやすく、周囲に水が飛び散って濡れやすくなります。
その結果、壁や床の拭き掃除の頻度が上がったり、水垢など洗面台の掃除と併せて日常的なお手入れの手間が増えてしまう傾向にあります。
タオル共用の懸念や交換の手間
家族でトイレ内のタオルを共用することは、複数回使用となり交換の有無やタイミングに対する懸念を感じる場合も少なくありません。
また、湿気の多い空間でもあるため使用後のタオルが乾きにくく、こまめな交換や取り替えるタオルの保管場所の確保など、気にするポイントが多くなります。
毎回交換するなど家族内でのルールが徹底されていれば清潔を保てますが、それが面倒だと感じる方にとってはタオル掛けの存在自体が手間で悩みの種となるかもしれません。
手洗い後はタオル以外でキレイにしている
現代の暮らしではトイレでの手洗い後、備え付けのタオル掛けタオルに頼らずとも手を拭く方法が多数選択できます。
ペーパータオルや1回ずつ洗濯済みのタオルを使って手を拭く方法などを取り入れている家庭も増えています。特に来客時の使い捨てペーパー類は人気があり、これらのアイテムを活用することのより、清潔で管理もしやすく便利です。
トイレタオル掛けを使わないメリット
掃除が簡単になる
タオル掛けがない分、壁や床の拭き掃除がとても楽になります。ホコリも減り、手洗い行為やタオルからの水分も付着しにくくなるため、日常の掃除の手間も軽減されます。
さらにタオル掛けのバー部分を吊り下げに活用して、床面に置く掃除道具を減らせば、手軽にキレイにしやすくなります。
シンプルで落ち着きのある空間に
トイレタオル掛けを外すことで、視覚的にもスッキリとした印象になります。
とくに備品の類の物が少ないだけで空間に余裕が生まれ、清潔感が増し落ち着いた雰囲気に整えることができます。小さな空間だからこそ、不要なものを省くことで快適さが際立つといえるでしょう。
スペースが広がり収納や別用途にも活用できる
タオル掛けがない分、壁面に自由なスペースが生まれ、別の用途にその場所を活用することも可能です。
バーを活かして吊り下げ収納で掃除用具やディフューザーをかけたり、取り外してペーパータオルホルダーやポストカードを入れたアクリルパネル設置するもよし、活用するアイデアが広がります。
無理に外さず活かす
すでに取り付けられているタオル掛けを無理に外さず、別の用途に使うという方法もあります。色の統一感ややり過ぎないことで、撤去する手間も省けて、無駄なくスッキリ感とともに空間活用できます。
- S字フックでひっかけて吊るす 掃除グッズ(トイレ用のブラシ、スプレー類、掃除シートなど)
- ウォールポケットやメッシュポーチ、ボトルカバーなどに入れて下げる 女性用品、ウェットティッシュ、手指消毒シート類、消臭スプレー類など(※色のトーンを合わせるとスッキリ見えます)
- 香り袋(サシェ)、ディフューザー、アロマチャームなどをかけて控えめな香りの演出
- アイビー、ユーカリなどのフェイクグリーンを絡めて空間をシンプルに彩る 等々
むしろ手洗い習慣が身につく
家族で話し合い洗面所で手を洗うことを前提とすることで、結果的に家族みんながより丁寧な手洗いをするようになる傾向になります。
トイレ内のタオル掛けタオルをなくし、手洗い場所を明確に分けることで、意識が変わり、習慣化につながることもあるのです。
トイレタオル掛けを使わない時のデメリットは?
家族構成による(一人暮らしなら)
一人暮らしの場合はタオルの共用という問題がなく、毎日自分で管理できて清潔に保てる場合には、タオル掛けを便利に使う選択も十分あるでしょう。
不便と感じる具体例と対処法
例えば粗相をした時などや、トイレ内ですぐに手を洗いたいと感じた時、もしくは水分をさっと拭きたい時などは、タオルがないと不便と感じることもあるでしょう。
そのような場合にも、トイレットペーパーやウェットティッシュを常備することで代用できます。また必要に応じてタオルを一時的に設置するなど柔軟な対応をしてもよいのではないでしょうか。
トイレタオル掛けの代替案
トイレタオル掛けのタオルで手を拭く以外の代替案として、どなたにも簡単に取り入れやすいものをご案内しております。
ペーパータオルの活用
トイレ内に手洗い場がある場合はトイレ内にも、タンク式トイレなど含め洗面所のそばに、設置方法も選択肢があるので取り入れやすいですよ。
タオル掛けを外してペーパータオルホルダー・ボックスを設置
タオル掛けのバーを外す場合は、壁掛けタイプのペーパータオルボックスを取り付けることで、必要な分だけすぐに取り出せて潔さを保ちつつ省スペースにもなります。
もっと簡単に使う方法
タオル掛けバーを取り外すことなく、軽くてはっ水素材の布製ケースを吊るしたり置くなどして使えば、作業要らずで使える場所も広がります。また、一枚ずつ取り出しやすい口部分の硬さがあるものや、汚れや水分が付着した際にさっと拭き取れるものだと便利です。
- 吊るす・壁に貼り付ける・置き型などのはっ水素材のティッシュペーパーやペーパータオルケース
- アクリル製の置き型ボックス
- ロールタイプのペーパータオルにはマグネット式キッチンペーパーホルダーも便利
ハンドタオル収納袋で下から1枚ずつ使う
ハンドタオルを1枚ずつ取り出せるタイプの収納袋もおすすめです。吊るすタイプで透明の窓付きであれば残量管理もしやすく、保管も使用時も簡単で清潔に保てます。
トイレ内で使用後もそのまま持ってドアを開閉できますし、洗面所で手洗いした後も含め、そのまま洗濯かごに入れてしまえば後処理も楽になります。
カゴに畳んだタオルを詰めて置いても
特に洗面所で棚が近くにあったり洗面台にスペースがある場合には、おしゃれな小さなカゴにきれいに畳んだハンドタオルをセットしておけば、ホテルライクな演出で手間も少なくて済み、実用性と見た目のバランスが取れますよ。
洗面所手洗いを習慣化
トイレ内での手洗いを省き、洗面所での手洗いを基本にすることで、トイレタオル掛け問題そのものを解消できます。
トイレから出る時はウェットティッシュを活用
トイレ内にウェットティッシュを置いておくと便利です。
軽く手を拭いてウェットティッシュごとトイレのドア開閉に使用し、洗面所で改めてハンドウォッシュ手洗いを行う際ゴミとして捨てることで、トイレ内ゴミ箱も不要になります。
家族の生活スタイルに合わせた利便性案
トイレも手洗い行為も毎日何度も行うことです。ちょっとした工夫で清潔に便利になり快適に過ごしましょう。
子ども・年配者・介護する人必要な人などが使いやすい工夫
とくに小さな子どもや年配者、介護が必要な方にとっては、手洗いから手拭きの流れがスムーズにできるよう、動線や使いやすい位置での設置を工夫していきましょう。
バリアフリーなどでトイレ内が十分広く、洗面所もゴミ箱も設置できて一連の動作が完結できる場合はよいとして、そうでない場合は多々あります。以下のような工夫を取り入れてみてはいかがでしょうか。
- まずトイレ内でいったんウェットティッシュなどで手を拭き、トイレから出て洗面所までの動線上の床には障害物を置かないようにします。
- 洗面台のそばで手の届く高さに、片手や濡れた手でも取り出しやすい撥水素材のペーパータオルケースを設置します。
- また、自動ソープディスペンサーや自動噴射タイプの消毒用ディスペンサー、センサーによる水流ON/OFFなども使うことで、どなたでもより簡単で清潔に手洗いを行うができます。
- 洗面台の上・下部のスペースに入りきらない場合や使いにくい場合は、洗面所にスリムなキャビネットを取り入れ、洗面台周りをすっきり保ち快適に使用しましょう(※介護用品も一セット分をまとめて置いておくと便利です)。
- 介護が必要な場合には、手洗いスペースでの手すり設置や別途タオルを入れたカゴの用意も、使いやすくなります。
- 子どもの習慣化には、トイレドアの内側に思い出しやすいように視覚的なサインとして「てあらいを わすれないでね」などの声かけポスターやピクトグラムを貼っておくとよいでしょう。また、洗面台前に、高さ調整のため滑り止めつきの踏み台を用意し、手洗いしやすくしておきましょう。
訪問者への配慮と使い勝手
来客時には、使い捨てのペーパータオルや個別タオルの用意や、ゴミ箱がわかりやすいと、使い終わった後の処理もスマートで気持ちよく使える環境になります。
また、トイレ内には香り付きの除菌スプレー、洗面台付近には清潔感のあるディスペンサーや手指消毒スプレーなども用意しておきましょう。
洗面台周りがごちゃごちゃしそうな時は、小さなサイドテーブルやワゴンに別途まとめて置くことで、清潔への配慮やおもてなしの気持ちも伝わるのではないでしょうか。
家族みんなが快適に使える空間作り
家族全員の意見を取り入れつつ、誰にとっても無理なく使える仕組みを考えることで、トイレや手洗いがより快適になります。
トイレ内ならトイレ内で、トイレから出て洗面所でなど、ルールとともに配置やアイテムを決めて手洗いから手拭きの流れがスムーズに行えるように工夫しましょう。
やりやすい方法や状況に応じて、アイテムややり方を変更したり、配置換えやリフォームなどが必要な場合には、業者の方に相談するのもよいアイデアですよ。
新築・リフォーム時に考えるポイント
トイレ空間内のアイテムの検討
手洗い場やテーブル・棚の設置、掃除用具、ゴミ箱など、トイレ内に必要もしくはなくてもよいアイテムを最初にリストアップし検討しておくと、全体のバランスを考えながら機能的な空間になります。
例えば、長く住みバリアフリーの変更を考慮に入れる場合、トイレのドアや水場などレイアウトから検討が必要になることもあるため、業者の方と相談するとよいでしょう。
トイレ・洗面所・風呂場の動線の見直し
トイレ・洗面所・風呂場の動線を見直し、それぞれの距離が近ければ、日常の動作がスムーズになります。
トイレ内に手洗いを設けず、手洗いを洗面所で行う前提の場合には、トイレのドアのすぐ外に洗面所があると便利です。
独立したトイレと洗面所が隣接している場合、ドアをアコーディオンカーテンなどに変更するのも一案です。
さらに洗面所と風呂場を隣接させて、トイレから洗面所を経由してそのままお風呂に行ける動線設計であれば、手すりや段差なしのバリアフリー改修時にも、年齢や状況の変化に対応できて、どなたでも使いやすい配置といえるでしょう。
収納スペースの最適化
トイレ内の限られた空間を有効活用するには、壁面収納や吊り下げ収納なども検討に加えるとよいでしょう。タオル以外の掃除道具や衛生用品などのストック管理も行いやすくなります。
洗面所も含め、出来る限り床面にモノを置かない工夫をすることで、スッキリ整理できて掃除も楽になります。
まとめ
トイレタオル掛けを使わない選択は、ただ物を減らすだけではなく、暮らし全体をシンプルに整えるきっかけになります。
清潔面、掃除のしやすさ、空間の印象など、多くのメリットがあります。代替案をうまく取り入れれば、不便さを感じることも少なく、むしろ快適さが増すかもしれません。
また新築やリフォームの際にも、こうした視点を取り入れてみてはいかがでしょうか。家族のスタイルに合わせて、暮らしに取り入れやすいトイレ空間や手洗い習慣を創造なさってみてくださいね。