「ルイボスティー」といえば、ここ数年でその名もすっかり定着してきたといえるお茶類の一種ですね。
今ではすべての世代で親しまれていますが、ルイボスティーについて、原材料や産地、紅茶との違いなどについてご存じでしょうか?
この機会に、楽しみ方とともにまとめてみましたので、ご覧になってみてください。
ルイボスティーについて

ルイボスを原料とした「茶外茶」で紅茶とは別物
見た目が紅茶に似ているため、紅茶の一種と勘違いされることがありますが、ルイボスティーは全く別のお茶です。
ルイボスティーは、南アフリカ原産のマメ科植物「ルイボス」という木の葉を原料としたお茶で、現地の言葉で「赤い(rooi)藪(bos)」に由来した名称といわれています。
学名はAspalathus linearis(アスパラトゥス・リネアリス)、表記はRooibos(ルイボス)となります。
ルイボスは、南アフリカ共和国の首都・ケープタウンに近く標高の高いセダルバーグ山脈周辺でのみ、栽培されています。地域的な特徴としては、乾燥した気候と昼夜の気温差が大きく日差しの強い環境にあり、それらの条件がルイボスに適しているため、他の場所での栽培は難しいといわれているそうです。
紅茶や緑茶の原料となる植物の「チャノキ」とは異なる植物が原料であることから、ルイボスティーは「茶外茶」と呼ばれるカテゴリーに分類され、ハーブティーの一種として広義の意味でのお茶ということになります。
近年ではスーパーやコンビニでも手軽に購入できるようになったことなどから、世代や性別を問わずどなたでも気軽に楽しめるとあって、幅広い層の人々が取り入れるようになってきました。
その他の茶外茶は何がある?
ルイボスティー以外に、日本で親しまれている茶外茶には、以下のものなど多々あり、さらにこれらをブレンドしたものもあります。
いづれもチャノキ以外を原料とした広義の意味でのお茶になります。
例えば:
- 麦茶 … 大麦を焙煎したお茶で、香ばしさとすっきりした後味が特徴
- はと麦茶 … はと麦を焙煎した穏やかな風味で、クセの少ない飲み口
- 杜仲茶(とちゅうちゃ) … 杜仲の樹皮を乾燥・焙煎した独特の香ばしさがあるお茶
- 柿の葉茶 … 乾燥させた柿の葉を使い、落ち着いた香りとやさしい飲み口が楽しめるお茶
- びわの葉茶 … びわの葉を乾燥させたもので、柔らかな香りとすっきりした風味
- 桑の葉茶 … 桑の葉を乾燥させたお茶で、草葉の香りがほんのりと感じられる軽い風味
- 黒豆茶 … 黒豆を焙煎した香ばしさと、豆由来のほのかな甘みがあるお茶
- あずき茶 … あずきを焙煎したお茶で、香ばしくやさしい甘みが感じられる風味
- 昆布茶 … 昆布を粉末状にした塩味系のお茶で、昆布の旨みが際立つタイプ
- そば茶 … そばの実を焙煎した香ばしい香りが特長の、すっきりとした味わいのお茶
- ごぼう茶 … ごぼうを薄切りにして焙煎した、土の香りを含む素朴な風味のお茶
- よもぎ茶 … よもぎの葉を乾燥させたお茶で、青い香りとまろやかな口当たり
- どくだみ茶 … どくだみの葉を乾燥させた独特の香りのお茶で、すっきりした飲み口
ルイボスティーの風味や特徴

ルイボスティーの主な特徴は
- 茶葉・水色とも赤みがかった色味
- 茶葉の形状は細かい
- 渋みがほとんどなくさっぱりした飲み口
抽出した茶液(水色)は赤みを帯びることから、海外では「赤いお茶 red tea」として親しまれているそうです。
ルイボスは針葉樹の一種の常緑低木で、葉は1~3㎝くらいの小さく細長い針のような形状をしており、天日干しと水をかけて自然発酵させた赤茶色の葉をお茶として加工しています。
そのため茶葉が細かく、茶葉そのままで商品化されているものもありますが、後片付けの面も考慮すると、ティーバッグタイプのものはより手軽に飲むことができます。
またルイボスティーは渋みが出ないため、カップやポットにティーバッグを入れたままにしておいても風味が損なわれにくい点も魅力といえるでしょう。
風味を一言で表現するなら、紅茶に近いけれど渋みが少なく、さっぱりとした飲みやすさが特徴です。ただし、香りに独特な個性があり、一部の人には「土のような」と感じられるなど、好みが分かれる場合もあるようです。
もしそのまま飲むのが苦手だと感じた場合などには、自分好みの味にアレンジしてみることをおすすめします(この後の章でご案内しますね)。
また、ルイボスティーは種類によって微妙に風味が異なりますので、試しに別のものを飲んでみるのもよいかもしれません。
ルイボスティーの種類

ルイボスティーは大きく2つの種類に分かれます。
- レッド・ルイボス
- グリーン・ルイボス
レッド・ルイボスはルイボスの葉を収穫した後、6時間~8時間ほど発酵・乾燥させたもので、主に流通しているタイプになります。独特の香りもこの発酵工程で生まれます。
一方グリーン・ルイボスは、緑茶のようにほとんど発酵させず乾燥させたもので、香りや風味もよりさっぱりしている印象です。
ルイボスティーの等級
ルイボスティーの茶葉も、いくつかの等級(グレード)に分けられて流通されています。
茶葉の細かさや茎の割合、葉の発酵状態などで品質が分けられ、上位グレードほど風味が整い、雑味の少ないすっきりした飲み口が特徴です。
商業的には、スタンダード、チョイス、スーパー(またはそれに相当する名称)など以外に、各社でのランク付けがなされていることもあり、一般的には、「スーパーグレード」が上位グレードとして扱われることが多く、さらにティーバッグ向けに細かく裁断した「スーパーファインカット」などを用意しているメーカーもあります。
アレンジも楽しめます

ルイボスティーは、明るい色合いと渋みが少なくさっぱりした味わいを生かして、アレンジも楽しめます。
ストレートで飲むだけでなく、たまには趣向を変えてみてはいかがでしょうか。
- アイスティーで飲む
冷やすことで独特の香りが抑えられ、すっきりとした味わいになり飲みやすくなります。 - ミルクティーで飲む
ミルクはもちろん豆乳を加えるとまろやかな味わいで飲みやすくなります。渋みが少ない分、濃いめに淹れるとよいでしょう。水と牛乳で煮出してロイヤルミルクティー風にすれば、飲みごたえもアップします。 - 砂糖、はちみつ、ジャムなどの甘味料を加える 三温糖や黒糖などコクのある甘味やジャムで風味を加えると、まろやかで飲みやすくなります。
- 柑橘系フルーツや生ハーブを添える レモンやオレンジ、ミントなど爽やかなアクセントをつけると、さらにさっぱりと飲めます。
- ショウガやお好みの香辛料(シナモンなど)を加える 身体が温まりスパイシーな刺激も加わって、変化を楽しめます。
- 他のハーブ類とブレンドする ルイボスティーを味のベースにして、お手持ちの数種のハーブをブレンドし、味を調えることで、独特の風味も緩和されて飲みやすくなります。
また、各メーカーから多数フレーバー付きのルイボスティーも市販されていますので、気軽にいろいろ楽しめるのではないでしょうか。
まとめ

ルイボスティーは、南アフリカ原産のマメ科植物「ルイボス」という木の葉を原料とした「茶外茶」に分類され、チャノキの葉を原料とした緑茶や紅茶とは異なる飲み物です。
抽出した茶液(水色)は赤みを帯び、海外では「赤いお茶red tea」と呼ばれて親しまれています。
初めて選ぶ場合は、まずは一般的で飲みやすく扱いやすい、レッド・ルイボスのティーバッグタイプがおすすめですよ。
苦みが少ないため、ポットに入れたまま抽出時間が長くなっても風味が保たれやすく飲みやすいからです。
一方で、独特な土のような香りが気になる方もいらっしゃるようです。
そのような場合には、発酵なしのグリーン・ルイボスやアレンジ、フレーバー付きのルイボスティーなどを試してみると、お好みの飲み方に出会うことができるかもしれませんよ。
さまざまなお茶類とともに、豊かな時間を楽しめますように。

