紅茶文化を支える「ティーバッグ」の誕生と現在にいたる展開とは?

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紅茶

紅茶を楽しむ方法の一つとして、今ではすっかり定着したティーバッグですが、画期的な発明品だと思いませんか?

調べてみると、その誕生には意外なエピソードがありました。単なるサンプル用の袋だったものから、どのようにして現在の形に至り、広く普及しきたのでしょうか。

今回は、ティーバッグの始まりとその後の展開、最新素材の種類などについてご紹介いたします。

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ティーバッグの誕生とその後の展開

思いがけない発想が始まり

紅茶といえば、茶葉をポットでいれるという文化から始まり、そのいれ方が一般的でした。

ティーバッグの誕生は、20世紀初頭のアメリカにさかのぼります。ニューヨークの紅茶の卸売商、トーマス・サリバン氏が顧客に試供品として絹の袋に入れた紅茶を配ったことがきっかけでした。

それ以前は、紅茶のサンプルを錫の容器に入れて送っていましたが、コスト面でより経済的な方法が模索されていたそうです。もともとは茶葉保存用の袋でしたが、受け取った人々が袋ごとお湯に浸すことで簡単に紅茶を楽しめることを発見し、思わぬ形で受け入れられました。

これをヒントに、一杯分の茶葉を袋に入れて販売するアイデアを考案したことから、茶葉のムダを減らし後片付けも簡略化した手軽さが広まり、ティーバッグの原型が誕生したといわれています。

1900年初頭、アメリカのウィスコンシン州の2人の女性、ロバータ・C・ローソン氏とメアリー・マクラーレン氏がデザインした、現代のティーバッグに酷似した商品の特許を申請したそうです。 しかしながら、商業的な成功を収めることなく普及に至らなかったためか、ティーバッグ誕生説ではマイナーな語りとなっているようです。

ティーバッグと茶葉加工の展開

ティーバッグのその後

ティーバッグの初期のものは、見た目から「ティーボール」や「ティーエッグ」とも呼ばれていました。

また、絹の袋はメッシュが細かすぎるため、お茶の風味が十分に抽出されないという難点があったことから、素材は絹製のガーゼへ、さらに特殊な紙素材の袋へと、紅茶の風味を最大限に引き出す工夫と供給安定化などが重ねられ、現在のタイプへと変貌を遂げていきます。

1930年にはアメリカのウィリアム・ハーマンソンが、ヒートシール(熱を加えた袋の封入)加工された紙製ティーバッグの特許を取得しました。そのわずか数年後の1935年には、ティーバッグ専用の製造機械が登場し、大量生産が可能になりました。

茶葉加工方法の機械化

ティーバッグの普及とともに、同じく1930年代ごろから茶葉の加工方法の機械化が進みました。

従来のリーフティーは、大きな茶葉がゆっくりと開くことで風味を抽出していましたが、ティーバッグ内ではスペースが限られているため、より効率的に成分を抽出できるよう工夫がなされました。

代表例では、 CTC製法(Crush, Tear, Curl)で茶葉を細かく砕き揉み込んで丸める加工方法により、短時間で紅茶の風味や色味が抽出されるため、ティーバッグと相性の良い茶葉の加工法として広く用いられています。

また、ローターバン製法の併用で茶葉の形を整えながら細かく加工できるため、一定の品質を保ちながら大量生産が可能になり、多くの需要を支えています。

※各製法の詳細は、こちらをご覧ください。紅茶の主な3つの製法:オーソドックス・CTC・ローターバンとは?

この時期を境に、ティーバッグは世界中で急速に普及し始めたといわれています。

現代のティーバッグと環境への配慮

近年、さらなる技術革新で特に注目されているのが、環境に優しいトウモロコシ繊維(PLA)素材を使用したティーバッグで、ソイロンという名称でも呼ばれています。

この素材はコーンスターチの乳酸発酵によって作られた生分解性の繊維のため、環境にも優しいという特徴を持ちます。透明度の高いメッシュ構造により、茶葉の形状がよく見え、見た目にも美しい仕上がりであるばかりでなく、機能面においても茶液を十分抽出できるものです。

生分解性:微生物の働きで分子レベルまで分解し、最終的には自然界へ二酸化炭素と水として還ること

ティーバッグの種類について

現在、さまざまな素材や形状のティーバッグが存在しますので、代表的な種類を以下に示します。

形状および素材による種類

  • 平袋型(エンベロープ・ダブルチャンバー型)                     平らな長方形で最も一般的なタイプ。ティーバッグの袋をW型に加工し、2つの袋(部屋)が重なった中央にも空間が生じる構造により、湯の中で茶葉が広がり抽出効率が大幅に向上。 素材は、紙・不織布。
  • テトラ型(ピラミッド型)                              三角錐の立体的な形状でティーバッグ内の空間が大きいため、大きめやグレードの高い茶葉を入れたり量を増やすことが可能。高級ティーバッグとして用いられることも。茶葉がより広がりやすいため風味がしっかりと抽出される。                                   素材は、ナイロン・不織布・生分解性ソイロン。
  • スクエア型                                     ヒモなしの四角い形状で、おもに水出し用もしくは煮出し用。               素材は、紙・無漂白紙
  • きんちゃく型                                     外国製ティーバッグに多いタイプ。概ねガーゼなどの布製でティーバッグ臭がなく茶葉そのものの風味となる。抽出に時間がかかる場合も。
平袋型ティーバッグは、当初シングルチャンバーと呼ばれる1つの袋(部屋)で、まさにエンベロープ(封筒)の形状だったそうです。                                  そのため、茶葉の入る量もジャンピングスペースも小さく風味も十分抽出しきれなかった難点は、ダブルチャンバー構造の発明によって解消され、現在平袋の主流となっています。                                        これにより、ティーポットで淹れた紅茶に近い豊かな風味を楽しめるようになり、手軽さとおいしさの両立が可能になったのです。

ダブルチャンバー構造

封入シールの種類

  • ヒートシール:熱を加えて封をするタイプで、大量生産がしやすく密閉性に優れている。
  • 超音波シール:超音波の振動利用し接着するタイプ。

まとめ

ティーバッグの誕生は、サンプル茶葉用の袋をもとに発案され、バッグの素材や形状・茶葉製法の発展と機械化を経て大量生産可能となり、紅茶文化を支える存在となりました。

紅茶の消費拡大とともに、ティーバッグは世界中に広まり、2007年にはイギリスの紅茶市場の96%を占めるとまでいわれています。

ティーバッグの誕生から100年以上が経過した現在も、新たな展開は続いています。よりおいしく、また環境に配慮したティーバッグも開発されており、これからも手軽に紅茶を楽しむ方法のひとつとして、ティータイムにはその文化を支えてくれる存在に思いを馳せるのも、よいかもしれません。

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