紅茶を手軽においしく楽しみたいと思ったならば、ティーポットの他に「ティープレス」も活用してみませんか?
ティープレスは紅茶の香りや風味を引き出し、抽出の過程を目で楽しめるところも魅力の、便利なアイテムです。
今回は、ティープレスの特徴や基本的な使い方およびお手入れについて、ご自宅で気軽に使用する方法をご案内していきます。
「ティープレス」について
「ティープレス(Tea Press)」は、紅茶を手軽においしく抽出できる便利な道具のひとつです。一般的にはフレンチプレスのような構造を持つ、プランジャー(フィルター付きの押し下げる部分)が特徴です。フタ部分に上下に動かす棒がつき、その先端に茶葉を漉すための細かいメッシュ状のフィルターがついています。
ティーポットや茶こしを使わず、これ1つで紅茶をいれられるため、便利で見た目にもおしゃれなティータイムを演出できると人気があります。
フレンチプレスとティープレスの違いとは?
フレンチプレスは、もともとコーヒーの抽出に使われる器具としてイタリアで発明され、その後フランスのカフェから世界中に普及していったそうで、紅茶にも応用されています。(兼用表記で販売されているものも多々みられます)。
特に日本では導入された際の影響もあり、カフェでコーヒーのみならず紅茶にも用いられているのを少なからず見る機会があるのではないでしょうか。
ティープレスには、紅茶の抽出専用として、下部の穴が開いていない独立した茶こし部分を持つプレス器具をティーポット内に差し込み、紅茶の抽出が完了したら上からプレスして茶葉を閉じ込めることができるタイプのものもあります。
コーヒーオイルをしっかり抽出するためのデザインのフレンチプレスは、細かい茶葉がカップに入ってしまったり、茶葉から抽出され過ぎて渋みが出てしまう傾向にありますが、このようなティープレスであればその心配はほぼなくなるものとなります。
ティープレスのメリットとデメリット
ティープレスを取り入れる前に、イメージが浮かびやすいよう双方に関していくつかの点をお伝えしていきます。
メリット
- 紅茶道具がティープレス1つで完結する:ティーポットや茶こしを用意する必要がなく、これ1台で紅茶をいれられます。ステンレス製ならキャンプなど屋外での使用にも便利です。
- おしゃれなデザイン:ガラス製やステンレス製など、デザイン性の高いものが多く、インテリアとしても映え、気分を変えたい時や来客時、ステキな演出の一部になります。
- 抽出時間を微調整しやすい:自分の好みに合わせて蒸らし時間を調整できるため、味の調整が簡単です。とくにガラス製の場合は、茶葉の開き具合や抽出の様子を楽しみつつ確認しやすいです。
- 部品交換で長く使える:フィルター部分やプランジャーを交換できるため、長く愛用できるアイテムです。
デメリット
- 洗浄が面倒:分解して洗う手間がかかります。
- 茶葉の目詰まりが発生しやすい:特に細かい茶葉ではフィルター部分が詰まりやすくなります。
- 長時間置くと渋みが強くなる:茶葉を入れたまま長く置くと、渋みが強くなりすぎることがあります。(そうでない前述のタイプもあります。)
- ガラス製は割れやすいので注意が必要:落としたり、急激な温度変化があると破損しやすいため、取り扱いには注意が必要です。
ティーポットとティープレスの違いと使い分け
ティーポットとティープレスはどちらも紅茶を淹れる道具ですが、それぞれに特徴があります。気分やシーンに合わせて使い分けができます。
・ティーポットは、注ぎやすさやデザイン性が豊富であることが特徴です。多くの場合、数杯分を作った時は、もう1つサーブ用のポットを用意し、茶葉を濾しておく必要がありますが、中にセットするタイプの茶こしを用いて抽出後に茶葉をすぐに取り除くことも可能になります。これらによって、渋みを抑えたまろやかな味わいを引き出すのに適しています。
・ティープレスは、茶葉の浸出をコントロールしやすい点が特徴です。この器具ひとつで済むため、特に一杯分をいれる場合や、屋外での使用でしっかりした味わいを楽しみたい時に適しています。また、複数杯を抽出した紅茶をサーブ用のティーポットに移して使用することで、渋みを抑えることもも可能です。
ティープレスによる紅茶の基本の入れ方
こちらでは、1杯分の入れ方をご案内します。
用意するものや準備
- ティープレス
- お好みの茶葉
- 湯を沸かすやかん
- 熱湯150~200ml+保温用に500ml程度
- 計量スプーンもしくはキッチンスケール
- タイマー
- カップ
基本の入れ方
- 汲みたての水でお湯を沸かし、ティープレスとカップにお湯を注ぎ、温める
- お湯を捨て、ティープレスに茶葉を入れる(パッケージ参照、1杯分約2g〜3g)
- 沸騰したての熱湯を適量、勢いよく注ぐ(150~200ml) ※茶葉のジャンピング(上下運動)を促し、抽出を助ける
- フタをして一定時間蒸らす(パッケージ参照、茶葉の種類によって2分〜5分) ※抽出時間を守ること、フィルター部分は湯面の上にセットしたままであることがポイント
- フィルター部分をゆっくり押し下げ、茶葉を沈める ※また、強く押し込みすぎず少し隙間を開けておくことで、茶葉が傷つかず余分な渋みや雑味が出にくい
- フタを外し、カップに注ぐ
ティープレスを使った複数杯の抽出方法
- 大きめのティープレスを使用し、必要な杯数分の茶葉とお湯を調整する
- 一度に複数人分を抽出し、注ぐ前にスプーンでかき混ぜることで均一な味わいを楽しめる
- 複数杯を一人で飲む場合は、長時間茶葉を入れたままにせず、抽出した茶液を温めた別容器に移しておく
ティープレスは、300~1000mlとさまざまなサイズのものがあります。一人分が多い方、複数人分での使用が多い方、用途に合わせて選びましょう。
使用後の洗浄方法やお手入れ
- 使用後はすぐに茶葉を取り除いて水洗いし、茶渋も防ぐ ※できれば毎回分解する方が、洗浄も乾燥もしやすい
- フィルター部分に細かい目詰まりがないかチェック ※流水のみで細かい茶葉が取れない場合は、乾燥後ハケやドライヤーの冷風で吹き飛ばしても
- ガラス製の場合は割れないよう注意して扱う
- 定期的に分解して隅々まで洗うことで清潔に保つ
外出前など急いでいる時は、プランジャーと本体に分けて流水で流すか、水に浸けておくだけでもキレイを保てますよ。
コーヒーやハーブティー抽出も可能
- コーヒーも同様にプレスして抽出可能
- コーヒーオイルが抽出され、よりコクのある味わいに
- ハーブティーも同様の入れ方で抽出可能
- 紅茶とコーヒー、ハーブティーを楽しみたい方におすすめではあるが、兼用する場合には香りや味移りのないよう、毎回分解して洗浄・乾燥を十分行うなどお手入れは欠かさずに(できれば兼用は避ける方が、繊細な風味や味わいを手軽に楽しむことができる)
まとめ
ティープレスを活用すれば、手軽に一人分から本格的な紅茶を楽しむことができます。
基本の入れ方と使用後のお手入れに慣れることで、ティーポットとともに便利に活用する場面も増えていくのではないでしょうか。
ティープレスならではの楽しみ方を取り入れ、さらにご自身のティータイムの充実に繋がりますように。