トルコで「チャイ」といえば?インドとは異なるいれ方楽しみ方

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紅茶

トルコ料理店などで、異国情緒あふれる茶器セットで提供される紅茶を経験したことはありませんか?

そのトルコ紅茶は、メニューに「チャイ」と記されていますが、インド発祥のミルクティーの「チャイ」とは異なり、スパイスやミルクは入っていないものでした。

世界で最も紅茶を飲んでいる国は、なんとトルコだそうで、日常に深く根づいているそのいれ方・飲み方、生産地となった経緯など文化的な側面など併せて調べてみると、興味深いものがありましたので、ご案内いたします。

トルコの「チャイ」とは?

「お茶」の総称でストレートティー+お砂糖が一般的

トルコで「チャイ( çay)」とは、トルコ語で「お茶」を意味する言葉で、紅茶をはじめチャノキから作られたお茶類以外にも、ハーブやフルーツを煮出した茶外茶も含まれる広義の意味でのお茶の総称として、幅広く使われます。

なかでも、トルコのチャイといえばストレートティーで、お砂糖をたっぷり入れて楽しむものが一般的な認識です。味の濃い渋みや深いコクが特徴の茶葉を煮出し、飲むときにお湯で薄めるスタイルで、角砂糖を口に含みながら紅茶を飲む楽しみ方もあるそうです。

スパイスやミルクを使うインドの「チャイ」とは別物ですね。

トルコの紅茶の歴史と現在

トルコで紅茶が日常的に飲まれるようになった歴史は、比較的近年のことです。

かつてトルコはコーヒー文化が主流でしたが、輸入品だったコーヒーが手に入りにくい状況が発生したそうです(トルココーヒーも独特のいれ方で有名ですよね)。

そこでコーヒーに代わり紅茶を普及させるため、1930年代に黒海沿岸のリゼを紅茶の産地として、本格的な栽培がスタートし、1950年ごろには紅茶製造が開始されました。

世界有数の紅茶生産地で消費量世界1位に

紅茶の生産量が多い国といえば、インド、スリランカ、ケニアに続き、今やトルコは第5位で年間約15万トンに及ぶそうです。

そのほとんどが、最初に栽培を始めたトルコ北部・黒海沿岸のリゼで生産されています。特徴として、黒海沿岸のため冬は暖かく、夏は涼しく1年を通じて一定の雨量があり、紅茶の栽培に適した地域といえます。

紅茶の歴史が近年であるにもかかわらず、トルコが紅茶生産大国となった背景には、圧倒的な国内消費量があります。

なんと紅茶一人当たりの消費量世界1位で年間平均一人3キロ、日本は平均1キロなので日本人の3倍飲んでいることになります。日常的に一日に何杯もとなると、1L近く飲んでいる人もいらっしゃるのかもしれませんね。

そのため、生産された紅茶のほとんどは国内で消費されていますが、一部はネットや取扱店舗などを介して海外でも購入可能です。

トルコ紅茶「チャイ」の道具

トルコで紅茶をいれるのに欠かせないのが、独特のポットとグラスです。

2段式やかん「チャイダンルック」

トルコの紅茶文化の象徴ともいえるアイテムが、「チャイダンルック」と呼ばれる2段式のやかんです。日本ではあまり見かけませんが、トルコ雑貨を扱うお店やオンラインショップであれば購入も可能です。

チャイダンルックの使い方も独特で、下段に水を入れて沸騰させ、その蒸気で上段の茶葉を蒸した後、下段のお湯を上段に注ぎ、弱火で15~30分煮出して紅茶を作るのが一般的なスタイルです。

薄める前提で濃く淹れた紅茶を、下段のお湯で好みの濃さに調整して飲むのがトルコのチャイで、リゼ産の茶葉は渋みが出にくいため、1日に何杯も飲むための工夫なのかもしれませんね。

鍋とやかんで代用可能

鍋とやかんで代用することも可能です。

代用品として、大きめの鍋ややかんのフタをはずし、その上にもうひとつ蒸気が当たり落ちないサイズの小さいやかんを乗せると、同じ原理でいれることが可能だとトルコ料理店の方に伺いました。

雰囲気は出にくいかもしれませんが、バックヤードで使う分には問題なくいれられます。

小さな耐熱グラス「チャイバルダック」

トルコの紅茶を飲む際は、「チャイバルダック」と呼ばれる耐熱性のチャイグラスでいただきます。

このグラスは縦長で約100cc程度の小ぶりなサイズが一般的で、紅茶を熱々のまま飲めるために形状が工夫されています。最もポピュラーな形は中央が少しくびれたチューリップ型で、熱が逃げにくいとされ実用面から広まったといわれています。

チャイはグラスの口までなみなみと注ぐため、こぼれてもよいようにソーサーとセットで使われることが多く、紅茶の鮮やかな抽出色を楽しむために、透明な無地もしくは小さな絵柄のグラスが好まれますが、お土産用にはカラフルな装飾が施されたものも販売されています。

さらに、小さな取っ手が付いているものや、ガラス製ティーカップに酷似したタイプもあります。 これらはインテリアやお土産用として、また本場の細長いチャイグラスに慣れていない人や、熱い飲み物を直接持つのが苦手な人のために作られたものともいわれています。

トルコ紅茶「チャイ」のいれ方

いれ方を参考までにご紹介します。茶葉やお湯の量などは、茶器やリゼ産の紅茶を購入時にお尋ねになるとよいでしょう。

  1. ポットの上段に茶葉、下段に水を入れてお湯を沸かす(その間に蒸気で上段の茶葉が蒸される)
  2. 下段のお湯が沸騰したら上段にお湯を注ぎ、もう一度15分~30分弱火で茶葉を煮だす
  3. チャイバルダック(グラス)の半分位まで紅茶を注ぎ、さらに下段のお湯を注いで好みの濃さに薄める(通常グラスの口いっぱいまで入る)
  4. お好みで角砂糖を入れるか添えて完成(1杯につき2個が一般的)

トルコのチャイ文化

トルコの紅茶文化はチャイ文化といえます。  多くのチャイ店(チャイジュ/チャイ・オジャーウ)があり、至るところでチャイを飲む人々の姿を目にし、オフィスにチャイを配達する専任スタッフもいるそうです。

チャイを配達する文化も根づいており、 配達員は、金属製のトレーにチャイグラスとティーポットをセットし吊るして持ち運び、その場でチャイをいれて熱々の状態で提供されるという何ともステキなシステムですね。

まとめ

トルコの紅茶文化は、独自のスタイルで日常を豊かに彩っていることがわかりました。

  • トルコのチャイはお茶の総称で一般的にストレートティーに角砂糖を入れて飲むスタイル(ミルクやスパイスなし)
  • 紅茶文化は近年に始まり今や世界5位の生産量で一人当たりの消費量世界一の国
  • 国内のリゼがメインの紅茶生産地でほぼ国内消費されるが海外購入も可能
  • トルコのチャイは独自の茶器「チャイダンルックとチャイバルダック」を用いたいれ方
  • 至るところにチャイ店や配達もありいつでも楽しめる

魅力的なティータイムを過ごしに、すぐにトルコ旅行で現地のチャイとはいかないまでも、トルコ料理店などで本場の「チャイ」を体験してみませんか?

 

 

 

 

 

 

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