「ティーラテ」という名称の飲み物をご存じでしょうか?
ティーラテとミルクティー、どちらもミルクを使って紅茶をアレンジした飲み物として人気があります。見た目も似ており、普段あまり違いに関して具体的には意識せずに飲んでいるということもあるかもしれません。
しかしながら、調べてみると作り方や味わい方には案外違いがあり、自宅でも簡単に作り分けられることを知りましたので、今回は、両者の違いと作り方についてご案内したいと思います。
自分で作ることもできれば、気分に合った方を選べる上、茶葉やミルク、甘味の量などを思い通りにカスタマイズして、より紅茶を楽しめるのではないでしょうか。
ティーラテとミルクティーの基本的な違い
ティーラテとミルクティーはどちらも「紅茶+ミルク」の組み合わせですが、その作り方に大きな違いがあります。
ティーラテとは?
「ティーラテ」は、ティープレッソ(茶葉に圧をかけて抽出し濃縮された紅茶液)と、手を加えたミルクを組み合わせて作るアレンジティーのことを指し、「紅茶ラテ」とも呼ばれます。
一般的にカフェなどで提供されるティーラテは、エスプレッソマシンを使って抽出した濃い紅茶をカップに注ぎ、スチームミルクを加え、最後にフォームミルクを乗せて仕上げられます。
- スチームミルク:蒸気で温めたミルクで、液状の状態を維持したもの。
- フォームミルク:ミルクを泡立てて空気を含ませ、ふんわりとした質感にしたもの。
コーヒーのエスプレッソをベースにした、カフェラテと似たような作り方になります。
ティーラテの特徴は、これらのミルクを組み合わせることで紅茶の渋みを和らげ、濃厚な紅茶の風味とともにクリーミーな口当たりと、まろやかでリッチな味わいを楽しめるところにあるといえます。
ミルクティーとは?
ミルクティーには大きく分けて2種類の作り方があります。
- 紅茶をお湯で抽出し後からミルクを加えるタイプ
- 先に紅茶をいれておき、後からミルクやクリームを加える(ティーウィズミルク)
- 手軽に作れて、喫茶店やコンビニなどで提供されるスタイルとして、日本で日常的に飲まれることが多い
- 紅茶本来の香りを楽しみながら、ミルクのまろやかさが加わり、比較的すっきり味わえるのが特徴
- ミルクの量を調整しやすく、好みに合わせた味を楽しめる
- 水と牛乳で紅茶を煮出すタイプ(ロイヤルミルクティー)
- 海外では、本来ミルクティーといえばこの作り方が主流
- 日本では「ロイヤルミルクティー」として知られている
- 鍋などでじっくり煮出すため、紅茶の成分がしっかり抽出され、ミルクの割合が高くても紅茶とミルクが一体となり、濃厚なコクと深い味わいを感じられるのが特徴
ミルクティーの特徴は、後から加えたミルクのまろやかさがありながら紅茶の風味ですっきり飲めること、ロイヤルミルクティーの特徴は、ミルクと紅茶の一体感と濃厚でコクのある味わいを楽しめるところ、といえるでしょう。
※2種類のミルクティーのいれ方につきましては、こちらをご覧ください。2種類ある?ロイヤルミルクティーともう一方の違いとティーバッグでのいれ方
ティーラテとミルクティーの違いを比較
以下の違いから、どれが飲みたい気分なのかなど選べると楽しさも広がるのではないでしょうか。
材料と作り方の違い
「紅茶の濃度」と「ミルクの使い方」が主な違いとなります。
- ティーラテ :ティープレッソ(茶葉に圧をかけて抽出し濃縮された紅茶液)とスチームミルク、フォームミルクを使用
- ミルクティー :紅茶液と液体状のミルクを使用
味わいの違い
紅茶の濃度とミルクの使い方の違いにより、味わいにも違いが生じます。
- ティーラテ :濃縮された紅茶を使用し紅茶の風味が強く、泡立てたミルクとのバランスで濃厚でまったりとした味わい
- ミルクティー :お湯で抽出した紅茶にミルクを加えたものはさっぱりとした味わい、牛乳で煮出したものは茶葉と一体感のある濃厚でクリーミーな味わい
おうちで簡単に作れるティーラテ
ティーラテを作るにはエスプレッソマシーンを使いますが、高圧をかけず湯量を減らして濃い目に抽出することで、ご家庭でも簡単に作ることができます。
またミルクも、加圧する本格的な専用マシン(ミルクスチーマー)を使いますが、ミルクフォーマーやミルク泡だて器などで代用し、フォームミルクのみを乗せて仕上げる方法をとるとよいでしょう。
茶葉を使用したり、さまざまな作り方がありますが、今回はティーバッグで一人分を簡単に作る方法をご案内します。
用意するもの
- お好みのティーバッグ1~2個(茶葉の場合は2~4g)
- 熱湯100ml+保温分
- 牛乳100ml
- マグカップとフタ
- 深底の耐熱カップ
- ミルクフォーマー・ミルク泡だて器など
- ティースプーン
お手持ちもしくはお好みの茶葉やティーバッグを使用できます。
また、濃い茶液を作るため、一般的なミルクティーでよく使用されるアッサムのティーバッグは、短時間で抽出されやすいCTC製法のものがほとんどのため、おすすめです。
作り方
- マグカップに熱湯を入れて保温し、お湯を捨てる
- マグカップにティーバッグと熱湯を入れ、フタをして5分以上蒸らし濃く抽出する
- 深底の耐熱カップに牛乳を入れ、電子レンジで500~600Wで30~40秒温める
- 温めた牛乳を、ミルクフォーマーなどで2倍強の量に泡だてる
- ティーパックを数回揺すり軽く押して取り出し、フォームミルクをゆっくり注ぎ、残りはスプーンですくって移す(茶葉の場合は、紅茶液を茶こしで濾しながら別の保温済カップに注ぐ)
POINT
- 濃いめの紅茶を淹れる
- 湯量を減らし濃いめに抽出する。物足りないと感じたら、次回はティーバッグ2個でも。
- じっくり蒸らして茶液を抽出した後は、絞らずティーバッグを取り出し苦み雑味を防ぐ。
- ミルクフォーマーなどでフォームミルクを作る
- ミルクフォーマーには電動と手動のものがあり、いずれも簡単に泡立てられる。(電動は先端に円形にしたコイルつきのスティック型、手動はレバーを上下させて内部のメッシュ部分で泡を作るタイプなど)
- ミルクフォーマーがない場合は、密閉容器やラテシェイカーに温めたミルクを入れて振る、または小鍋で温めたあと泡立て器を使う方法でも代用可能。
また、ミルクに少量の砂糖やはちみつを加えて泡立てると、コクが深まります。フォームミルクに、バニラエッセンスやシナモン、刻みチョコレート、メープルシロップなどを加えたアレンジするのもおすすめです。
耐熱ガラスのマグカップでいれると、紅茶と泡の層を楽しめて、おもてなしの一杯にもステキです。
その他同じ作り方で、氷をいれてアイス仕立てに、またベースにほうじ茶やチャイもしくは抹茶などを用いることもできます。
まとめ
ティーラテとミルクティーは、どちらもミルクと紅茶の相性を活かしたアレンジティーで、一見似ているようですが、紅茶の濃度やミルクの使い方の違いにより、味わいにも違いが生まれます。
ティーラテとミルクティーの違いや特徴は、主に以下のとおりです。
- ティーラテ:ティープレッソ(濃縮紅茶液)にスチームミルクやフォームミルクを加えたもの
- ミルクティー:紅茶をお湯や牛乳で抽出し、ミルクと合わせたもの
- 味わいによる違い:ティーラテは、濃厚でクリーミーな味わい ミルクティーは、紅茶の香りを楽しめるすっきりとした味わい ロイヤルミルクティーは、ミルクと紅茶の一体感とコク深い味わい
また、ご家庭でもミルクフォーマーなどを活用することで、カフェ気分のティーラテを手軽に楽しめます。ティーラテとミルクティーの違いを楽しみながら、ご自身の気分や好みに合った一杯を見つけてみませんか。