日本でも近年、インド発祥のミルクティー「チャイ」の人気が高まり、カフェのメニューなどに登場することも増えてきました。また市販のチャイ用ブレンド茶葉やインスタント商品も多く販売されており、家庭でも手軽に楽しめるようになっています。
このスパイスが香る濃厚なミルクティー「チャイ」ですが、茶こし以外に特別な道具も必要なく、おうちで茶葉から簡単に作れてしまうのです。
お好みのスパイスや牛乳と甘味の量など自由にアレンジして、自分スタイルを追求することができるのも、チャイの大きな魅力の一つではないでしょうか。
チャイの本来の意味とともに、簡単5工程でできる作り方をご案内します。
チャイとは?
「チャイ(chai)」とは、ヒンディー語で「お茶」を意味する言葉で、インドでお茶は、ミルクで煮出した濃い紅茶に砂糖やスパイスを加えて飲むのが一般的です。
日本で「お茶」といえば緑茶を指すように、インドで「チャイ」といえば「チャイ=(煮出し)ミルクティー」 という認識で、日常的に親しまれています。
家でくつろぐときや仕事の合間のひと息に、または屋台で気軽に楽しむなど、インドの人々にとって欠かせない飲み物で、スパイスを加えないシンプルなチャイも濃厚なミルクのコクと甘さで愛飲されています。
スパイス入りのチャイは「マサラチャイ」とも呼ばれ、シナモンやカルダモン、クローブ、生姜などのスパイスを加えることで、より深みのある風味に仕上がります(「マサラ」はヒンディー語で「さまざまなスパイスを挽き合わせたもの」を意味します)。
※海外では、ミルクティーといえば一般的に煮出して作るものです。詳しくはこちらをご覧ください。2種類ある?ロイヤルミルクティーともう一方の違いとティーバッグでのいれ方
基本のおうちチャイレシピ
チャイのレシピは無数にありますので、こちらではあくまで一例として、茶葉を使いおうちで簡単に煮出して作る2人(2杯)分のレシピをご紹介していきます。どうぞお好みで調整なさってください。
必要な道具や材料
- 茶葉(アッサムCTCがおすすめ)小さじ2~3杯(約4~6g)
- お好みのスパイス(ホールでもパウダーでもOK)少々
- 小さじ計量スプーン(茶葉の計量用)
- 熱湯120ml
- 牛乳(成分無調整のものがおすすめ)180ml程度
- 砂糖(量はお好みで)
- 小鍋(ミルクパンや注ぎ口があれば扱いやすい)
- タイマー(煮出し時間を計るため)
- 茶こし(目の細かい方が適す)
- マグカップ(水分量の目安としても使用)
以下に追記部分をお伝えいたします。
茶葉
ミルクティー向けのアッサムCTC がおすすめです。その名の通りインドのアッサム地方が産地の茶葉を、CTC製法で粒状に加工して短時間でしっかりとしたコクが出るため、チャイ作りに合います。まずはこちらで作ってみるとおいしさを感じやすいですよ。
※CTC製法について、詳しくはこちらをご覧ください。紅茶の主な3つの製法:オーソドックス・CTC・ローターバンとは?
スパイス
スパイスは自由に選べますが、何を使えばいいかわからない… という方には、まずは市販のチャイ用スパイスミックスや、スパイスブレンドの茶葉で作ってみると手軽においしく作れます。
代表的なスパイスは主に、シナモン・生姜・クローブ・カルダモンなどですので、ご家庭にある場合などはホールでもパウダータイプ両方とも使用できます(ホールスパイスを使う場合は、香りを出すため下準備として潰しておく必要があります)。
小さじ計量スプーン
茶葉を計るために使用。茶葉専用のティーメジャーがあればもちろん使用します。
作り方5工程
- ホールスパイスの場合は潰して下準備、茶葉を計量する
- 汲みたての水で湯を沸かす
- 沸騰した鍋に茶葉を入れて煮る(ホールスパイスはこの時に加え香りを煮出す)
- 牛乳を加えて煮る(パウダースパイスや砂糖はこの時に加える)
- 茶こしでこしながら注ぐ
各工程およびポイントを詳しくお伝えしていきます。
1: ホールスパイスの下準備、茶葉を計量する
・茶葉を小さじ計量スプーン2~3杯((約4~6g))を計ります。
濃いめが好きな方は、山盛り3~4杯くらいに増やしても大丈夫です。色々お試しください。
・ホールスパイスを潰して下準備します。以下は香りを出すための一例です。
- シナモンスティックは3〜4等分に折る。
- 生姜は薄切りにして軽く潰す。
- クローブやブラックペッパーはそのまま、または軽く潰す。
- カルダモンはさやを割って中の種を出す。
2: 汲みたての水でお湯を沸かす
汲みたての新鮮な水120mlを鍋に入れ、お湯を沸かします。
3:沸騰した鍋に茶葉を入れて煮る(ホールスパイスも)
ホールスパイスを使う場合は、お湯が沸騰したら先に入れ1~2分煮出して香りを引き出し、その後、茶葉を入れて弱火〜中火で3~4分煮出します。
POINT)
- 牛乳で煮ても風味は出にくいため、茶葉は熱湯でしっかり煮出しておきます。
- ホールスパイスは茶葉と一緒に煮出す。
- パウダースパイスは牛乳を加えた後に入れる。
スパイスを入れすぎると風味が強くなりすぎるので、少しずつ調整しましょう。
4:牛乳を加えて煮る(パウダースパイスや砂糖も)
牛乳180mlを加え、軽くかき混ぜて中~強火でさらに2~3分煮込みます。
牛乳が鍋の縁にふわっと膨らんできたら、パウダースパイスや砂糖を使う場合は、このタイミングで加えて、すぐに火を止めます。
POINT) 牛乳は一気に吹きこぼれてしまうため、目を離さず煮立たせないようご注意ください。
5:茶こしでこしながら注ぐ
茶こしでこしながらマグカップに注ぎます。鍋から直接注ぐのが難しい場合は、おたまなどを使いましょう。
POINT)
- 茶葉やスパイスをしっかり取り除くことで、渋みや雑味のない風味が引き立つため、なるべく目の細かい茶こしを使用することをおすすめします。
- さらにトッピングでスパイスパウダーを加えても、彩りにもよいでしょう。
- 時間が経つと風味が変わるため、作りたてを飲むのがベストです。
- もし余った場合は、茶葉類を濾した後、ティーポットや別のカップに移しておき、再加熱する場合は、ごく短時間で。
代表的なスパイスについて
簡単ではありますが、代表的なスパイスについていくつか挙げていきます。
- シナモン:甘く優雅な香りが特徴で、チャイに深みを与えます。スティックのまま煮出すことで、まろやかさが際立ちます。パウダーをトッピングすることも。
- 生姜:ピリッとした辛味と爽やかな風味が特徴。すりおろして使うとより風味が強まり、飲んだ後の余韻がさっぱりします。
- クローブ:甘みとスパイシーさが同居する独特の香りを持つスパイス。少量でも風味が強く、入れすぎるとクセが出るので注意。
- カルダモン:爽やかな香りとほのかな苦味があり、チャイに清涼感をプラスします。さやを割って使うと香りが引き立ちます。
- ブラックペッパー:ピリッとした辛味が特徴で、チャイに加えると引き締まった味わいになります。入れすぎると辛味が強くなるので調整を。
- ナツメグ:甘くスパイシーな香りを持ち、少量加えることでより本格的な味わいになります。独特の風味が深みを増します。
- スターアニス(八角):甘く独特な香りで、エキゾチックな風味を演出します。風味が強いので、少量ずつ加えるのがおすすめです。3片ほどに砕いてトッピングにも。
他にも、 ピンクペッパー・フェンネル・アニスシードなど個性を加えたレシピが多々あります。
紅茶専門店などでは、店員さんに伺ってみるとおもしろい発見もありますよ。
まとめ
インドのミルクティー「チャイ」は、紅茶とミルクのコクと風味がマッチした甘さが人気で、スパイス加えることでさまざまなアレンジを楽しむことができます。
そんなおいしいチャイは、材料も道具もシンプルで、茶葉・スパイス・煮出し方・火加減のポイントをおさえることで、おうちで簡単につくれます。
- (CTC製法の)茶葉を鍋で煮出し、牛乳と砂糖を加えるのが基本の作り方
- スパイスは好みに応じて自由に調整できる
- ホールスパイスは茶葉と一緒に煮出す。
- パウダースパイスは牛乳を加えた後に入れる。
- スパイスの選び方に迷ったら、市販のセットも便利
また濃さや量の調整などちょっとした工夫で、より深い味わいのチャイの幅が広がりますので、自分好みのバランスを見つけてみませんか?